CX-3は、非常に燃費が良いディーゼル車として人気が高い車でしたが、新型となり新たにガソリンエンジンが投入されました。
ディーゼルエンジンにも手を加えており、新型では旧型とは違う心臓部を供えています。
そこで、フルモデルチェンジ後の新型と旧型のCX-3の燃費を徹底比較し、旧型とどう変わったのか詳しくご紹介します。
燃費表示方法の変更点
まず、最初に今回の新型CX-3から燃費の表示が変更されています。
以前の燃費表示
以前までは、燃費カタログデータは、JC08モードを採用していました。
しかし、この数値は、実燃費と比べるとかけ離れているという声が聞こえます。
マツダでは、一早く国際基準の走行試験で燃費を計る、WLTCモードの採用を始めました。
今回の燃費表示
WLTCモードは、「市街地モード(WLTC-L)」「郊外モード(WLTC-M)」「高速道路モード(WLTC-H)」の3つの走行モードで構成されており、実際の走行状況に近い燃費性能を表示することができます。
新型CX-3は、この国際的試験方法であるWLTCモードの認可を取得して販売が開始されました。
そのため、カタログデータにJC08モードの表記はなく、すべてWLTCモード表記となっています。
新型CX-3の燃費(ガソリン車)
引用:https://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/
新型CX-3には、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンがあります。
それぞれの燃費をまとめました。
ガソリン車の燃費
新型CX-3のガソリンエンジンは、今回からラインナップに加わり、旧型には設定がなかった車種になります。
しかし、その燃費性能は目を見張るものがあり、今までディーゼルエンジンしか選ぶことができずに諦めていた人には朗報です。
2WD(FF車) | 4WD | |
WLTCモード燃費 | 16.0~16.2km/L | 15.2km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 12.4~12.9km/L | 11.9~12.0km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 16.7~16.9km/L | 15.9km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 18.0~18.2km/L | 17.0~17.2km/L |
市街地モードは、信号や渋滞の影響を受ける低速モードで、郊外モードは信号や渋滞の影響をほとんど受けない走行状態を想定しています。
高速道路モードは、高速道路走行を想定した燃費モードです。
それぞれのモードを自分の普段の車の使い方に当てはめれば、新型CX-3の燃費の目安を知ることができます。
この表を見る通り、2リッターのSUVにしては優秀な燃費性能を有しています。
さらに、ガソリンエンジン搭載車は、ディーゼルエンジン搭載車より車両本体価格で60万円も安いのが魅力です。
例えば、1か月のガソリン代が2万円とした場合、60万円の価格差を燃料代で埋めるとすると2年半かかるので、これは魅力といえるでしょう。
ガソリンエンジンの特徴
ガソリンエンジンは、新開発のキャビティ―付ピストンと呼ばれる、新技術が採用されています。
これは、燃焼時の火炎が燃焼室内に勢いよく広がるよう設計されており、低中速トルクアップと燃費向上に貢献しています。
また、噴射ノズルもマルチホールインジェクターを採用し、噴射圧力を高めて燃料の粒をより細かくすることで、混合気の燃えやすさをアップしています。
変わって、ディーゼルエンジンでは、排気量を1.8Lにアップし、エッジシェイプピストンと呼ばれるピストン上面に段付けをした特殊形状のピストンを採用し、燃料噴射ノズルには、超高応答マルチホールピエゾインジェクターを採用しています。
この2つの新技術でより綿密に燃焼範囲を制御できるようになったため、よりクリーンで無駄のない燃焼を行い低燃費を実現しています。
新型CX-3(ディーゼル車)燃費
ディーゼルエンジン車は、先代の燃費性能がハイブリッド車を凌ぐ性能で話題となりました。
そして、今回のディーゼルは排気量をアップし、さらに燃費性能に磨きがかかっています。
2WD(FF) | 4WD | |
WLTCモード燃費 | 20.0~23.2km/L | 19.0~21.2km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 16.3~21.3km/L | 15.9~19.7km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 20.0~23.5km/L | 19.1~21.6km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 22.2~24.4km/L | 20.9~22.0km/L |
燃費性能で、特質すべき点は、4WDは2WDより全てのグレードを比較して、約100kg車重が重くなっているのにも関わらず、燃費性能が2WDに比べてそれほど悪くなっていない点です。
しかも、2WDであれば、どの走行モードでも軒並み20km/Lを叩き出せる高燃費性能となっており、これはハイブリッド車と同等の性能といえます。
旧モデルとの比較
旧モデルのCX-3は、ガソリンエンジンモデルがなかったので、ディーゼルエンジンの燃費性能を、高速道路と一般道路で比較してみます。
また、新型では国際基準であるWLTCモードでカタログ表示され、旧型ではJC08モード表示となっているので、カタログからの比較が難しくなっています。
そこで、ユーザーからの実燃費を参考に比較していきます。
一般道路燃費比較
一般道路での実燃費比較ですが、旧型が平均して17km/L前後が多く見られるのに対し、新型CX-3では18km/L前後の実燃費を誇るデーターが多く見られます。
ユーザーからの口コミを参考にすると、一般道路での燃費比較では、新型のほうが約1km/L燃費が良い結果となりました。
この新型のデーターは、カタログのWLTC-Lモードの燃費とほぼ同じで、かなり良い結果となっています。
ちなみに、旧型のカタログデータであるJC08モードは、21km/L~25km/Lとなっているので、実燃費とはかなりかけ離れた燃費性能というのがわかります。
高速道路燃費比較
高速道路での旧型CX-3の実燃費は、おおよそ20km/Lを記録しており、かなりの燃費性能を誇っていました。
そして新型CX-3では、22km/L以上といった口コミが多くあり、確実に旧型より燃費が良くなっています。
走行の仕方にもよりますが、高速道路では定速走行することで、さらに燃費を延ばすことも可能です。
新型CX-3のディーゼル車は、カタログデーターを上回る燃費性能を出すことも可能と考えられます。
新型CX-3に採用された燃費向上の新技術
引用:https://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/driving/economy/
新型CX-3には、燃費をさらに改善するための新装備が搭載されています。
メカニカルのみならず、視覚的にも燃費向上を考え、車とドライバーが一体で最高の燃費を実現できます。
メカニカルな部分では、(i-ELOOP)(i-stop)を搭載し、目で見える部分には(I-DM)を装備しました。
そこで、これらの装備がどのように燃費性能に関わってくるのかご紹介します。
i-ELOOP(アイ・イーループ)とは
(i-ELOOP)とは、エンジンからの動力で発電するオルタネーターを可変電圧式回生オルタネーターを採用しています。
通常、車の発電にはエンジンから10%の出力を奪っていますが、これはガソリン代金の10分の1を使用して発電していることになります。
そこで、可変電圧式回生オルタネーターは、通常走行ではオルタネーターを空転させてエンジンに負荷を与えないようにし、アクセルオフやブレーキング時の減速する時のみオルタネーターで発電する仕組みを取つています。
これにより、10%分の出力損失を抑えられ、燃費向上に役立っています。
また、発電した電力を蓄える大容量キャパシターを装備しており、必要な電力を装備品に瞬時に送ることができます。
これらの装備は軽量で小型のシステムなので、車両重量増はごくわずかに抑えられています。
i-stop(アイ・ストップ)とは
(i-stop)は、アイドリングストップ機能です。
今や珍しくないアイドリングストップ機能ですが、瞬間始動の新メカニズムが採用されています。
通常のアイドリングストップは、スターターモーターでクランキングしてエンジンを始動させますが、(i-stop)では、このスターターを作動させるほかに、シリンダー内が膨張行程にあるものを検知して、そこに燃料を噴射させることでエンジンを始動させます。
つまり、エンジンが燃焼しようとする力をもう一度活用し、スターターは補助的に作動させるシステムです。
そのため、スターター作動音は非常に小さく少なくなっており、今までのアイドリングストップより早い立ち上がりでエンジンが始動します。
インテリジェント・ドライブ・マスター(i-DM)とは
引用:https://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/driving/economy/
マツダでは、運転が楽しくそして、同乗者にやさしい運転を目指し、運転を採点して目で見える工夫がされています。
運転がやさしくしなやかになれば、採点が高くなり、それを目指すことで燃費向上につながります。
車の燃費を向上させる秘訣は、揺れが少なく加減速をゆっくり行うことですが、これはプロドライバーが習得している運転技術です。
これを、目で見ながら実践できるシステムは、しなやかなプロ並みの運転ができるようになり、同乗者も車酔いすることなく快適なドライブを実現できるこにつながります。
新型CX-3の燃費まとめ
新型CX-3は、旧型よりエンジンを見直し、さらに燃費向上を遂げました。
ディーゼルであれば、ガソリンより燃料代も安く抑えられます。
しかも、ハイブリッド並みの燃費となれば、車の維持費を大きく抑えることができます。
ガソリン車とディーゼル車を選べるようになって、選択肢も増えたCX-3ですが、どちらも優れた燃費性能とコストパフォーマンスを持った車となっています。
これなら、燃費について悩む必要がなく安心して選べる車となっています。