多くの日本車は、海外に輸出販売されています。
ほとんどの日本車は、海外で販売される時に名前が変わったり、装備が変わっているなど、日本仕様とは違う所がかなりあります。
新型CR-Vは、通常の日本車とは逆に、先に海外で販売されていた車が、日本に戻ってきたケースとなります。
新型CR-Vは、国内で発売開始となりましたが、海外で販売されている車がそのまま日本で販売されているわけではないんです。
実は、かなり諸外国と仕様が変わっています。
では、日本で発売されている新型CR-Vと海外モデルのCR-Vはどんな違いがあるんでしょうか。
それぞれのモデルの違いについて比較してまとめてみました。
海外のCR-Vモデルとは
引用:http://www.cr-v.com.cn/
5代目となる新型CR-Vは、グローバル市場を見据えて、かなり大型化したボディーデザインとして生まれたために、日本での販売を見送られていた経緯があります。
たしかに車幅が1855mmは、日本の道路事情からするとかなり大型で、狭い道のすれ違いに苦労することは否めないでしょう。
しかし、実際には車幅は1855mmで各国ともに共通ですが、全長においては何と日本のCR-Vが一番長く4605mmで、その他の国では、全長が4600mmにわずかに届かない寸法が公表されています。
例えばアメリカではインチ表示ですが、長さが180.6インチと約4587mmとなり、イギリスでは4600mm、フィリピンとタイでは4571mm、中国では4585mmとなっています。
このように各国で公表されている車体寸法が異なるほか、グレード名の違いなど様々な違いが日本仕様と海外仕様ではあります。
海外のCR-Vモデルとは
引用:https://www.hondaphil.com/model/cr-v/#Performance
日本仕様には存在しないCR-Vが、海外では販売されています。
例えば、エクステリアやインテリアの違いがあります。
それ以外にも、パワートレインや装備品も日本仕様とは異なります。
そこで、それぞれの部分でどういった違いがあるのかを詳しく見ていきます。
エクステリアの違い
引用:https://automobiles.honda.com/cr-v#
CR-Vのカラー
エクステリアで一番大きな違いは、ボディーカラーの種類です。
日本では、プラチナホワイトパール、ルナシルバーメタリック、クリスタルブラックパール、ルーセブラックメタリック、ミッドナイトブルービームメタリック、プレミアムクリスタルレッドメタリックの全6種類が用意されています。
しかし、海外では設定カラーが異なります。
日本にはないグリーン系の色が、各国で設定されています。
反対に、「プレミアムクリスタルレッドメタリック」が、ラインナップにない国もあります。
アメリカモデル
エクステリアでは、アメリカ市場で販売されるCR-Vの廉価盤で大きな違いがあります。
例えば、フロントバンパー、グリルの形状が異なっています。
また、ドアハンドルやスポイラーも黒い樹脂のままといったモデルもあります。
このほか、日本仕様にない235/65R17のタイヤを履いたグレードも存在します。
インテリアの違い
引用:https://automobiles.honda.com/cr-v#
本皮シート
インテリアで大きな違いは、海外モデルには本革シートのカラーです。
海外のCR-Vには、白の本革シートが用意されています。
サンルーフ
電動パノラミックサンルーフは、アメリカでは小型のサンルーフとなっています。
アメリカでは、サンルーフが禁止されているというわけではないのですが、小型になっています。
また、フィリピンやタイではサンルーフ自体の設定がない国もあります。
フロントパネル装備
ヨーロッパ向けモデルには、ヘッドアップディスプレイを装備しており、視線を移すことなく車の情報を知ることができます。
ナビに関しては、ナビを標準で装備しないモデルや、モニターも5インチディスプレイとしているモデルがタイやフィリピンでは販売されています。
シート
シートは、海外モデルでも2列と3列の両方を用意してある国がほとんどです。
基本的には、シートアレンジは、日本も諸外国も同じ構成となります。
安全予防装備の違い
引用:https://www.honda.co.uk/cars/new/cr-v/design.html
ホンダセンシング
ホンダの安全装備である「ホンダセンシング」は、各国のCR-Vに装備されています。
しかし、グレードによっては、標準で装備されない国もあります。
また、日本のCR-Vには、9つの機能がありますが、海外のホンダセンシングには、6つの機能しかない車種もあります。
特に、標識認識機能が省かれているCR-Vを販売している国が多いです。
ドアミラー
日本モデルにはない機能としては、ドラミラーの機能があります。
例えば、助手席側のドアミラーにカメラが付いているCR-Vがあるんです。
これは、死角を減らし運転者の負担を軽減したり、リア斜め後方の死角に車が接近するのをブザーで知らせることができます。
また、車を360度パノラマで見渡せる機能を搭載しているCR-Vを販売している国もあります。
パワートレーンの違い
引用:https://www.hondaphil.com/model/cr-v/#Performance
パワートレーンの日本モデルは、1.5L DOHC VTECガソリンターボエンジンと、2.0L i VTEC +i-MMDが用意されています。
一方、海外には、このエンジン以外の設定がないCR-Vもあります。
特に、驚くべき点は、CR-Vに、ディーゼルエンジンの設定があることです。
このエンジンは、Earth Dreams Technology DOHC i-DTEC Turbo エンジンと呼ばれ、1.6Lのディーゼルエンジンとなっています。
エンジンパワーは、フィリピン仕様が120ps/300N・mのエンジンで、タイ仕様が160ps/350N・mのエンジンとなっています。
どちらのエンジンも基本設計は同じですがチューニングが違うと思われます。
また、これに組み合わされるトランスミッションは、9速ATが搭載され、幅広いギアを有していることから応答性も良く、高いギア比を採用しているので高速道路では騒音低減に貢献しています。
ヨーロッパ向けモデル
ヨーロッパ向けモデルには、6速マニュアル車も用意されています。
車のグレードにより、同じ1.5LDOHC VTECガソリンターボエンジンでも、馬力が173ps仕様と190ps仕様の2種類が用意されています。
その他特殊モデル
2.4Lガソリンエンジンが、アメリカとタイで販売されています。
そして、2L SOHC VTECエンジンは、フィリピンに導入されています。
海外モデルと日本のCR-Vの比較まとめ
引用:https://www.honda.co.th/crv/
同じCR-Vでも販売される国が違えば、エクステリアやインテリアのほか、パワートレーンも日本モデルとは異なっています。
これらの仕様の違いは、その国の道路事情や安全基準に合わせることで違いが出てきていると考えられます。
ただ、ボディーカラーなどは、その国の嗜好の違いによる部分が大きいのではないでしょうか。
メーカーが、それぞれの国の法律に従い車をモディファイし、その国ではどういった仕様が好まれるかを、研究していることが車からわかってきます。
これらの車を日本で購入することも輸入代行業者に頼めば可能ですが、日本で購入するCR-Vよりかなり割高となってしまいます。
もし、海外旅行に出かける機会があれば、ぜひどんなCR-Vが走っているかを見てください。
きっと国内で走っている車と大きく違うことに驚くことでしょう。