コンパクトSUVは、最近、日本で注目されていますよね。
多くのSUVが初配されていますが、その中で、非常によく似た存在なのがマツダの新型CX-3とホンダのヴェゼルです。
CX-3もヴェゼルも外観のアグレッシブさからは想像ができないほど居住性や荷室の使い勝手の良さはハッチバック並みです。
そこで、このよく似た2台を徹底比較し、おすすめポイントをご紹介します。
CX-3とヴェゼルの基本情報
引用:https://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/
CX-3
元気あるマツダの中で、唯一低迷を続けているコンパクトSUVでしたが、昨年ビッグマイナーチェンジを行いさらなる進化を遂げたことにより、非常に完成度の高い車となりました。
ヴェゼル
2018年度の年間セールスが6万台と堅調ではあるものの、各メーカーからコンパクトSUVが相次いで販売され、一頃の勢いはなくなってきました。
そこで、2019年1月に新たにターボモデルをベゼルに投入し、てこ入れを図ってきています。
CX3-とヴェゼルの類似点
CX-3は、ディーゼルエンジンの排気量を増やしてパワーアップを図り、ヴェゼルではターボ付きの投入でパワーアップを図りました。
パワーアップに伴い、ボディーにも手を入れて、より快適に走行できるよう進化しています。
エクステリア比較
引用:https://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/styling/design/
CX-3とヴェゼルを2台並べてみれば、背が高いのがヴェゼルなのは明らかです。
エクステリアデザインの印象としては、どちらもスポーティーな印象を受けます。
CX-3は、流線形でごつごつした印象は少ないです。
また、ヴェゼルは、プレスラインをはっきりさせ、陰影をはっきりさせることで塗装の色味に変化を持たせています。
そこで、詳しいボディーサイズについてみていきます。
CX-3サイズ
寸法 | 単位(mm) |
全長 | 4,275 |
全幅 | 1,765 |
全高 | 1,550 |
CX-3のボディーサイズは、全グレード共通で、駆動方式により差もありません。
また、全高が1,550mmなので、ギリギリ立体駐車場も使えます。
ヴェゼルサイズ
寸法 | 単位(mm) | HYBRID RS・Honda SENSING、RS・Honda SENSING、TOURING・Honda SENSING 単位(mm) |
全長 | 4,330 | 4,340 |
全幅 | 1,770 | 1,790 |
全高 | 1,605 | 1,605 |
ヴェゼルのボディーサイズは、RSやTOURINGにロアガーニッシュなどが取り付けられている分、全長と全幅が長くなっています。
全高は、1,600mmを超えているので、立体駐車場は不可となります。
エクステリア比較
2台の寸法を見ていくと、ほとんど同じサイズといえます。
全高で、55mm高いヴェゼルは外観からSUVらしさを強く感じられるデザインです。
一方で、CX-3ではクーペを思わせるデザインといえます。
全高の差は、CX-3が160mmなのに対し、ヴェゼルでは170mm~180mmです。
これは、ボディー下のクリアランスに余裕を持たせていることが大きく関わっています。
エクステリアを見る限り、CX-3は少し背の高いクーペでヴェゼルは走破性も考えたロードクリアランスを取っているので、SUVの特徴が色濃く出たデザインといえます。
インテリア
引用:https://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/interior/design/
CX-3室内広さ
室内寸法 | 単位(mm) |
室内長 | 1,810 |
室内幅 | 1,435 |
室内高 | 1,210 |
室内の広さは、室内幅・室内高がコンパクトSUVにしては広くとられています。
特に、前席は十分な広さを確保ができるデザインになっています。
その反面で、後部座席は広いとは言えず、大人が長時間座るには少し窮屈な広さとなっています。
ヴェゼル室内広さ
室内寸法 | 単位(mm) |
室内長 | 1,930 |
室内幅 | 1,485 |
室内高 | 1,265 |
ヴェゼルは、コンパクトSUVでありながら、前席も後席にもゆとりがある室内の広さを備えています。
ヴェゼルで素晴らしい点は、コンパクトSUVでありながら後部座席にリクライニング機能が付いていることです。
リクライニングは、たった1ノッチですが、この1ノッチ分のリクライニングが後席の快適性を上げています。
インテリア比較
インテリア全体を見ると、上質感はCX-3が上を行く印象があります。
特に、インパネの合成皮革にステッチを取り入れるなど、1ランク上のグレードに近い質感になっています。
シートは、包まれる感覚となるのはCX-3で、腰から太ももまでしっかりホールドされるほか、肩がぐらつかないようにサポートされます。
内装の質感や座り心地はCX-3が優れていますが、室内の広さはヴェゼルに軍配が上がります。
乗り心地比較
引用:https://www.mazda.co.jp/beadriver/dynamics/skyactiv/interview/skyactiv-g/01_1/
乗り心地は、日常生活で使う場合と、ロングドライブをする場合とで、かなり乗り心地の捉え方が変わってきます。
日常生活で使用する場合、足回りのゴツゴツ感やクッションの硬さが気になりますが、長距離移動では体にかかるストレスによる疲れの度合いが大きくかかわります。
CX-3では、乗り心地を先代モデルより良くするために、プラットフォームやショックアブソーバーだけでなく、タイヤまで新開発を行っています。
また、ベゼルでも気持ちよい走りを可能とするために、ターボエンジンの採用やボディー剛性を欧州仕様車と同じにするなどの変更が行われました。
この2台の乗り心地を比較してみると、先代までと同様、足回りとボディーの作りこみを行ってきたCX-3のほうが、日常的な使い方から長距離ドライブまで、快適な乗り心地を提供します。
ただし、後部座席関してはCX-3で長距離移動すると不満が感じられるので、後部座席は子供用のシートとするか、2人乗りと割り切って使うのがCX-3といえます。
ヴェゼルは、CX-3に前席の乗り心地で劣りますが、後部座席の快適性は優れているので、長距離移動でもCX-3よりは楽にこなせます。
ただし、コンパクトSUVなので、いくらCX-3より後部座席が広いとはいえ、体の大きな方は窮屈に感じられるといえます。
エンジン
引用:https://www.mazda.co.jp/cars/cx-3/driving/skyactiv/
エンジン性能は、高速道路での合流や、山道での走行性能に大きくかかわり、ストレスなく走るためには欠かせない性能となります。
エンジンバリエーションは、CX-3がディーゼルエンジンとガソリンエンジンの2本立てであるのに対し、ヴェゼルではハイブリッドとガソリンエンジンの2本立てとなり、性格が大きく異なります。
CX-3エンジン諸元
水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | |
最高出力(kW<PS>/rpm) | 85〈116〉/4,000 | 110〈150〉/6,000 |
最大トルク(N・m<kgf・m>/rpm) | 270〈27.5〉/1,600-2,600 | 195〈19.9〉/2,800 |
エンジンを見ると、ガソリンエンジンのほうが最大出力が上回っていますが、最大トルクではディーゼルエンジンのほうが太くなっています。
車を走らせるうえで、軽快に加速させる性能はトルクが太い方が有利で、ディーゼルエンジンであれば、低速からの太いトルクで車を加速させることができるので、楽な運転が可能といえます。
ヴェゼルエンジン諸元
1.5L i-VTEC+i-DCD | 1.5L i-VTEC | 1.5L VTEC TURBO | |
最高出力(kW<PS>/rpm) | エンジン 97〈132〉/6,600
モーター 22〈29.5〉/1,313̶2,000 システム総出力 112〈152〉 |
96〈131〉/6,600 | 127〈172〉/5,500 |
最大トルク(N・m<kgf・m>/rpm) | エンジン 156〈15.9〉/4,600
モーター 160〈16.3〉/0̶1,313 システム総トルク 190〈19.4〉 |
155〈15.8〉/4,600 | 220〈22.4〉/1,700̶5,500 |
ヴェゼルでは、2019年1月にターボモデルが追加されました。
現在は、3つのエンジンラインナップとなっています。
今までパワー不足感が否めなかったヴェゼルですが、ターボモデル投入で、力強い走りができるようになりました。
ハイブリッド車の特徴は、定速ではモーターの低速のピックアップの良さを活かして走行し、高速ではガソリンエンジンに切り替えて力強く走ることができます。
エンジン比較
CX-3
ガソリンエンジンでいえば、3リッター並のトルクを出すCX-3は、アクセルを軽く踏むだけで力強く加速します。
また、ディーゼルエンジンに関しては、ディーゼルの割には高回転の伸びも良く、振動や騒音も低減されています。
しかし、高回転まで気持ちよく回るガソリンエンジンになれ親しんだ方には、このディーゼルエンジンは違和感を感じます。
ヴェゼル
ハイブリッドエンジンは、ハイブリッドでもガソリンエンジンの特徴が色濃く現れています。
低速ではモーターの力で加速しますが、CX-3のような力強さは感じられません。
ヴェゼルの中で、エンジン性能が一番良いターボモデルでは、低回転ではハイブリッドモデルに劣りますが、高回転では気持ちよく走らせることができます。
尖がった加速性能ではなく、あくまでもマイルドでグレードの名の通り、ツーリングを楽しむのに十分なエンジンパワーとなります。
2台を比べると、ディーゼルエンジンを搭載したCX-3のほうが街乗りから高速巡行までストレスなく扱うことができ、高速での追い越しなどスピードが上がってくるとヴェゼルのターボモデルが軽快といえます。
価格比較
2台の価格をエンジン別に見てみます。
CX-3
ガソリンエンジン:212~282万円
ディーゼルエンジン:243~309万円
ヴェゼル
ガソリンエンジン:207~290万円
ハイブリッドエンジン:246~281万円
価格の特徴
2台の価格は、200万円代から購入でき、どちらも似た価格帯となっています。
CX-3では、ディーゼルエンジンでエコカー減税や補助金の恩恵を受けられるので、ガソリンエンジンより高くても納得できます。
しかし、ヴェゼルのターボモデルは、ハイブリッドエンジンより高い価格設定となっているのが少し気になります。
新型CX-3とヴェゼル比較のまとめ
新型CX-3とヴェゼルは、非常によく似たコンパクトSUVです。
しかし、後部座席の居住性ではヴェゼルが良く、運動性能や運転の楽しさでは、CX-3が上回ります。
金額的にもほとんど同じこの2台ですが、値段のバリエーションとグレードの質感、そして燃料代の安さを考えればCX-3がおすすめとなります。