SUVは世界で堅調な人気を誇っており、SUVというと大柄なボディーが主流となっていますが、日本のような道路事情では、本格的なSUVよりコンパクトサイズに人気が集中しています。
そんな中、3ナンバーではありますが、コンパクトSUVとしてホンダからヴェゼル、トヨタからはCH-Rが販売され、他の車種より一つ頭が抜きに出る人気を誇っています。
この2台が人気の理由は、デザインはもちろん、SUVにしては小ぶりでありながら、居住性もしっかり確保してある点です。
そこで、今人気の新型ヴェゼルとCH-Rを色んな角度から比較していきたいと思います。
新型ヴェゼルとCH-Rの特徴
引用:https://www.honda.co.jp/VEZEL//https://toyota.jp/c-hr/exterior/?padid=ag341_from_chr_top_exterior
ヴェゼルとは
2013年にガソリンとハイブリッドの2通りのパワーユニットで登場し、FFと4WDの2種類の駆動方式が用意されています。
2014年から3年連続で、日本国内のSUV部門で販売台数No1を獲得し、コンパクトSUVの大人気車種となりました。
その後、2018年にホンダセンシングとインラインタイプのLEDヘッドランプを全グレードで標準装備となりました。
2019年の今年は、新たにターボモデルのTOURINGを追加し、ガソリンエンジンのパワー不足の解消を行っています。
CH-Rとは
CH-Rは、2016年に登場し、ガソリンターボエンジンとハイブリッドの2本立てで、ガソリンエンジンは2WDと4WDの2本立てですが、ハイブリッドは2WDのみとなります。
2017年に、日本国内のSUV部門で販売台数No1を獲得し、ヴェゼルの4連覇を阻止した車種です。
ヴェゼルとCH-Rのサイズ比較
引用:/https://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/performance/driving/
ヴェゼルもCH-Rも、基本的な車体の形状がよく似ています。
ヴェゼルの車作りは、クーペスタイルをコンセプトにしており、それにならう形で、CH-Rもクーペスタルで登場しています。
どちらもサイドウインドウが、後ろ側で持ち上がり、逆にルーフは後ろに行くにつれて下がってくるデザインです。
ボディーサイズ
ヴェゼル
全長:4,330mm
全幅:1,770mm
全高:1,605mm
ホイールベース:2,610mm
最小回転半径:5.3m(RSとTOURINGは、5.5m)
CH-R
ヴェゼルと比較して
全長:+30mm
全幅:+25mm
全高:ー55mm
ホイールベース:+30mm
最小回転半径:-0.1m
ボディーサイズ比較結果
全高は、ヴェゼルが、そして、全長と全幅は、CH-Rの方が大きくなっています。
また、CH-Rは、多少小回りが利きますが、後方視界が悪いので車を後退させる時には細心の注意が必要です。
ヴェゼルとCH-R内装のデザインと室内空間比較
引用:https://toyota.jp/c-hr/interior/?padid=ag341_from_chr_navi_interior/https://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/interior/cabin/
内装デザインも、この2台は似通っており、インパネのメーター類がドライバーのほうに向いているところは、クーペスタイルで2台に共通している部分です。
そこで、2台の室内空間の特徴と、荷室を比較して見ます。
室内空間
室内空間で、目を引くのがCH-Rのシートのデザインです。
SUVとは思えないほど、サイドサポートが張り出したバケットタイプのシートを採用しており、スポーツカーを彷彿させます。
肝心のシートの硬さについては、座面の柔軟性でCH-Rが僅差で上回り、座り心地は上々です。
しかし、後部座席の足元の広さは、ヴェゼルが圧倒的に広く、そして快適に後部座席に座ることができます。
荷室比較
荷室空間は、リアゲートの作りでかなり差が出ています。
CH-Rは、車体を低く見せるために、リアゲートに傾斜角度をつけており、荷室に背の高い荷物を積むのは厳しいといえます。
また、荷室の開口部もCH-Rのほうが高いので、出し入れもヴェゼルのほうがしやすいといえます。
ヴェゼルでは、燃料タンクを前席の下に設置しているので、ラゲッジルームを下げることができました。
それにより、荷物の出し入れや、背の高い荷物もCH-Rよりしやすくなっています。
ヴェゼルとCH-R安全装備比較
引用:https://www.honda.co.jp/VEZEL/webcatalog/performance/active-safety/
ヴェゼルもCH-Rも運転支援システムは、すべてのグレードで標準装備となっているので、たいして差が無いように感じます。
しかし、実際は細かい機能が2台で異なっており、車を使用する環境で利便性が変わってきます。
運転支援システム
運転支援システムは、ホンダはHONDASENSING、トヨタには、Toyota Safety Senseが搭載されており、どちらも2017年予防安全性能「ASV++」の最高ランクを獲得しています。
ただ、CH-Rではオートハイビームや、ミリ波クルーズコントロールで0kmから前方車に追従できるのに対し、ヴェゼルでは30km/h以下になると、クルーズコントロールが解除されてしまいます。
安全装備
どちらの骨格も、衝突時のエネルギーを吸収しながら、キャビンを守る構造となっており、乗員保護の技術はかなり似通っています。
しかし、SRSエアバッグで、CH-Rがカーテンエアバッグやサイドエアバッグを全グレードで標準装備であるのに対し、ヴェゼルでは、ベースグレードに装備されません。
動力性能比較
引用:https://toyota.jp/c-hr/performance/?padid=ag341_from_chr_navi_perf
動力性能は、どちらにもハイブリッドとガソリンターボエンジンが用意されております。
ただし、ヴェゼルには、今まで同様NAガソリンエンジンも残されており、ヴェゼルの方が好きなパワーユニットを選ぶことができます。
パワーは、ヴェゼルにターボが追加となったことで、CH-Rよりパワフルな車となりました。
また、ハイブリッドも今までは、滑らかさがCH-Rが上でしたが、今回、低燃費性能はもちろん、スポーティーさに磨きをかけて、かなりパワフルな走りができるようになっています。
走行安定性
安心で、安定して走行できる技術は、ともに高いレベルで達成されており、特にヴェゼルのアジャイルハンドリングアシストは、コーナーを曲がるのが楽しくなる装備です。
そして、走行性能は、車両重量がかなりかかわってきており、CH-Rはヴェゼルより車両重量で100kg以上重いので、機敏さという点ではヴェゼルに1歩及びません。
しかし、車の安定性は、重量のあるCH-Rのほうが1枚上手で、高速道路の巡行などを楽にこなすことができます。
燃費とエコカー減税比較
燃費比較
ハイブリッドの燃費は、JC08モードで比較すると、CH-Rが30.2km/lと、ヴェゼルの27.0km/lを大きく引き離しています。
そして気になる実燃費ですが、ヴェゼルハイブリッドが、17.0km/lから18.0km/lとなっているのに対し、CH-Rでは21km/lを超える燃費を叩き出しています。
そして、ガソリン車では、ヴェゼルが14km/l~16km/l、CH-Rでは13km/lと、ハイブリッドとは逆転した燃費となります。
これは車両重量がかかわってくるものと思われ、軽いヴェゼルが有利となっています。
エコカー減税
どちらもハイブリッドのみ、税金の軽減措置を受けることができます。
新型ヴェゼルとCH-Rの違いまとめ
新型ヴェゼルとCH-Rを比較してきましたが、かなり似た車種ということがわかりました。
しかし、実用性で見ると、ヴェゼルは後席の居住性、荷室の使いやすさ、そして車の運転のしやすさで上回っています。
そして、CH-Rは、どちらかというと、趣味性が高い車といえ、デザインや高級感を高めた車種といえます。
実用性で選ぶなら、間違いなくヴェゼルが使いやすく、そしてターボモデルのTOURINGやRSを選べば、走りも堪能できる優れた車です。